炭水化物とは?糖質と食物繊維の違いと、ダイエット中の正しいとり方を超初心者向けにやさしく解説
「ダイエット中は炭水化物を抜いたほうがいい」「ご飯は太る」。こんな話を聞いて、主食を減らしたことがある人は多いのではないでしょうか。
たしかに炭水化物の量を見直すことは、ダイエットで役に立つことがあります。でも、炭水化物そのものが「太る原因」というわけではありません。むしろ極端に減らすと、トレーニングの質が落ちたり、続かずにリバウンドしたりする原因になります。
この記事では、炭水化物の正体である「糖質」と「食物繊維」の違いから、ダイエット中にどれくらい、何を、どう食べればいいのかまでを順番にお話しします。記事の途中には、目標カロリーからPFCバランスを自動で計算できるツールもあります。
この記事の結論
- 炭水化物は「糖質」と「食物繊維」を合わせたもの。働きはまったく違います。
- 糖質は脳と筋肉のすぐ使えるエネルギー源。余った分が体脂肪になるのであって、糖質そのものが悪いわけではありません。
- 食物繊維は日本人の多くが不足している栄養素。満腹感や腸内環境、血糖値の安定に役立ちます。
- カロリーとたんぱく質の量がそろっていれば、糖質を減らしても脂質を減らしても、体重の減り方に大きな差は出にくいとされています。
- ダイエット中は「抜く」より「量を決めて、質のいいものを選ぶ」が正解です。
炭水化物ってなに?
炭水化物は、三大栄養素のひとつです。そして、炭水化物は「糖質」と「食物繊維」の2つでできています。
炭水化物 = 糖質 + 食物繊維
| 糖質 | 食物繊維 | |
|---|---|---|
| 消化 | 消化・吸収される | ほとんど消化されずに腸まで届く |
| 主な働き | すぐ使えるエネルギー源 | お腹の調子を整える、血糖値の上がり方をゆるやかにする |
| カロリー | 1gあたり4kcal | 消化されにくいため、糖質より低い |
「糖質制限」という言葉が広まったことで、「炭水化物=糖質」と思われがちですが、実は別もの。糖質の量は見直しても、食物繊維は減らさない。これがダイエット中の炭水化物との付き合い方の基本です。
糖質の役割
脳と筋肉のすぐ使えるエネルギー
糖質は、食べると消化されて「ブドウ糖」になり、血液にのって全身に運ばれます。ブドウ糖は、脳や筋肉にとってすぐに使える大切なエネルギー源です。
血液中のブドウ糖の量を「血糖値」といいます。食後に血糖値が上がると、すい臓から「インスリン」というホルモンが出て、ブドウ糖を筋肉や肝臓などに取り込ませます。
使い切れなかった分は「貯金」される
すぐに使われなかったブドウ糖は、筋肉と肝臓に「グリコーゲン」という形で蓄えられます。筋肉のグリコーゲンは、筋トレや運動をするときのパワー源です。
ただし、グリコーゲンとして蓄えられる量には限りがあります。それでも余った分は、体脂肪として蓄えられます。つまり、問題は糖質そのものではなく「使う量より多く食べること」なのです。
糖質の種類
糖質は、ブドウ糖がいくつつながっているかで大きく3つに分けられます。
| 種類 | 主なもの | 多く含む食品 |
|---|---|---|
| 単糖類(1個) | ブドウ糖、果糖 | 果物、はちみつ |
| 二糖類(2個) | ショ糖(砂糖)、乳糖 | お菓子、甘い飲み物、牛乳 |
| 多糖類(たくさん) | でんぷん | ご飯、パン、麺、いも類 |
砂糖や果糖については、それぞれ別の記事でくわしく解説します。
食物繊維の役割
食物繊維は、人の消化酵素では消化されずに大腸まで届く成分です。かつては「食べ物のカス」と考えられていましたが、今では健康に欠かせない成分であることがわかっています。
2種類の食物繊維
| 種類 | 主な働き | 多く含む食品 |
|---|---|---|
| 水溶性食物繊維 | 水に溶けてネバネバになり、糖の吸収をゆるやかにする。腸内細菌のエサになる | 海藻、オクラ、大麦、果物、納豆 |
| 不溶性食物繊維 | 水を吸ってふくらみ、便のかさを増やして腸の動きを助ける | きのこ、豆類、ごぼう、玄米・雑穀 |
ダイエットにうれしい働き
- 満腹感が続きやすい:よく噛む必要があり、胃にとどまる時間も長くなります。
- 血糖値の上がり方がゆるやかになる:糖質と一緒にとると、食後の急な血糖値の上昇をおさえやすくなります。
- お腹の調子を整える:ダイエット中に起こりがちな便秘の予防に役立ちます。
さらに、多くの研究をまとめた分析では、食物繊維を1日25〜29gほどとっている人は、心臓病や2型糖尿病、大腸がんなどのリスクが低いことが報告されています。
日本人の多くが不足している
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18〜64歳の1日の目標量を男性20〜22g以上、女性18g以上としています。ところが、日本人の成人の平均摂取量は約18gで、特に男性は目標に届いていない人が多いのが現状です。
「炭水化物=太る」は本当?
体重を決めるのは、やっぱり総カロリー
カロリーの記事でお話ししたとおり、体重の増減を決めるのは「食べたカロリー」と「使ったカロリー」の差です。炭水化物だけが特別に太りやすいわけではありません。
実際に、糖質を減らす食事と脂質を減らす食事を比べた多くの研究では、カロリーとたんぱく質の量をそろえると、体重の減り方に大きな差は出にくいという結果が出ています。
糖質を抜くと「最初だけ」急に体重が落ちる理由
糖質を大きく減らすと、最初の数日で体重がストンと落ちることがあります。これは、グリコーゲンが使われて減ると同時に、グリコーゲンと一緒に蓄えられていた水分が抜けるためです。体脂肪がそれだけ減ったわけではありません。
そのため、元の食事に戻すとグリコーゲンと水分も戻り、体重もすぐに戻りやすくなります。「炭水化物を抜いたらやせたのに、食べたらすぐ戻った」という経験は、まさにこれが原因です。
減らしすぎるとトレーニングの質が下がる
筋肉のグリコーゲンは、筋トレのパワー源です。糖質を極端に減らすと、重さが上がらない、回数がこなせない、疲れやすいといったことが起こりやすくなります。トレーニングの質が下がれば、筋肉を守る・つける効果も下がってしまいます。
ダイエット中はどれくらい食べる?(自動計算ツール付き)
パーソナルジムiDeALMe川崎店では、炭水化物の量を「最後に、残りのカロリーで決める」方法をおすすめしています。
- 1日の目標カロリーを決める
総消費カロリーから、ダイエット中なら300〜500kcalを引く - たんぱく質を決める
体重1kgあたり1.67〜2g - 脂質を決める
1日のカロリーの25% - 炭水化物は残りのカロリーすべて
残ったカロリーを4で割るとグラム数になる
たとえば、体重60kgで目標カロリーが1日1,500kcalの人なら、次のようになります。
| 栄養素 | 計算 | 1日の目安 |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 60kg × 1.67〜2g | 約100〜120g(400〜480kcal) |
| 脂質 | 1,500kcal × 25% ÷ 9 | 約42g(375kcal) |
| 炭水化物 | 残り(645〜725kcal)÷ 4 | 約161〜181g |
炭水化物を約170gとすると、ご飯お茶碗1杯(150g)の炭水化物が約56gなので、1日にご飯3杯分くらいの計算です。「ダイエット中なのに、こんなに食べていいの?」と驚く方も多いのですが、たんぱく質と脂質をコントロールしていれば、これでもきちんと体脂肪は減っていきます。
PFCバランス自動計算ツール
体重と1日の目標カロリーを入れると、たんぱく質・脂質・炭水化物の目安が自動で計算されます。目標カロリーがわからない方は、カロリーの記事の計算ツールで先に出してみてください。
体重と目標カロリーを入力すると、ここに結果が表示されます。
※目標カロリーが少なく、たんぱく質と脂質だけでカロリーの大半を占めてしまう場合は、目標カロリーの設定を見直しましょう。持病のある方は医師に相談してください。
炭水化物の選び方・食べ方
主な食品の炭水化物の量
| 食品 | 量の目安 | 炭水化物 |
|---|---|---|
| ご飯 | お茶碗1杯(150g) | 約56g |
| 食パン | 6枚切り1枚(60g) | 約28g |
| バナナ | 1本(可食部100g) | 約23g |
※量は食品の種類や商品によって変わります。市販品はパッケージの栄養成分表示を確認しましょう。
選び方1:食物繊維も一緒にとれるものを
白いご飯や白いパンも、もちろん食べてかまいません。そのうえで、玄米・雑穀・もち麦・全粒粉のパン・いも類・そばなどを取り入れると、食物繊維も一緒にとれて満腹感が続きやすくなります。白米に雑穀を大さじ1杯混ぜることから始めるのがおすすめです。
選び方2:「飲む糖質」に注意
ジュースや甘いコーヒー飲料、スポーツドリンクなどに含まれる糖質は、食べ物と違って満腹感につながりにくく、気づかないうちにとりすぎてしまいます。WHO(世界保健機関)も、砂糖などの「遊離糖類」を1日のカロリーの10%未満におさえることをすすめています。
食べ方1:野菜やおかずから先に食べる
野菜や肉・魚などのおかずを先に食べ、ご飯を後にすると、食後の血糖値の上がり方がゆるやかになることが報告されています。満腹感が早く得られ、ご飯の食べすぎ防止にもつながります。
食べ方2:トレーニングの日は、前後でしっかり
トレーニングの前に糖質をとっておくと、エネルギー切れを防いで質の高いトレーニングができます。トレーニング後は、使ったグリコーゲンを補う時間です。1日の量の中で、トレーニング前後の食事に炭水化物を多めに配分するのもひとつの方法です。
よくある4つの誤解
誤解①「炭水化物を抜けば、確実にやせる」
体重が早く落ちるのは、主に水分が抜けるためです。体脂肪を減らすのは、あくまで総カロリーのマイナス。続けられない方法で一時的に落としても、戻ってしまえば意味がありません。
誤解②「夜に炭水化物を食べると太る」
体重への影響は、食べる時間帯より1日の総カロリーのほうがずっと大きいと考えられています。夜に食べるなら、1日の量の中で調整すれば問題ありません。ただし、夜遅い時間の食事は食べすぎにつながりやすいので注意しましょう。
誤解③「果物は糖質が多いから、ダイエットの敵」
果物には糖質が含まれますが、食物繊維やビタミン、ミネラルも一緒にとれます。ジュースではなく果物そのものを、適量食べるなら心配はいりません。果物の糖(果糖)については、別の記事でくわしく解説します。
誤解④「食物繊維は野菜を食べていれば十分」
野菜だけで目標量に届かせるのは、実はかなり大変です。きのこ・海藻・豆類・いも類・玄米や雑穀などの主食も合わせて、いろいろな食品からとることが大切です。
今日からできる3ステップ
- 主食の量を「決める」
ご飯は毎回お茶碗に軽く1杯など、量を一定にするだけでカロリーが安定します。「抜く」のではなく「決める」がポイントです。 - 甘い飲み物を、水やお茶に変える
いちばん簡単で、効果の大きい糖質の減らし方です。 - 1日1品、食物繊維の多い食品を足す
納豆、きのこの味噌汁、海藻サラダ、雑穀ご飯など。毎日少しずつで十分です。
「炭水化物、どこまで食べていい?」を一緒に決めませんか
炭水化物の適量は、体格・筋肉量・トレーニングの内容によって変わります。パーソナルジムiDeALMe川崎店では、InBodyで体の中身を測定し、トレーニングの日・休みの日に合わせた炭水化物のとり方まで一緒に考えます。
「主食を抜かないとやせられない」と思い込んでいる方こそ、ぜひ一度ご相談ください。
体験トレーニングを予約するよくある質問
糖質制限ダイエットはやめたほうがいいですか?
無理なく続けられるなら、ひとつの選択肢です。ただし、カロリーとたんぱく質の量がそろっていれば、脂質を減らす方法と体重の減り方に大きな差は出にくいとされています。極端に減らすとトレーニングの質が落ちることもあるため、「自分が続けられるか」で選びましょう。
白米と玄米、どちらがダイエットに向いていますか?
カロリーは大きく変わりませんが、玄米や雑穀は噛みごたえがあり、満腹感を得やすいのがメリットです。白米が好きな方は、雑穀を少し混ぜるところから始めるのもおすすめです。続けやすいほうを選んでください。
トレーニングの日と休みの日で、炭水化物の量を変えたほうがいいですか?
変える方法もあります。トレーニングの日は多め、休みの日は少なめにすると、1週間のカロリーを保ちながらトレーニングの質を高めやすくなります。まずは毎日同じ量で始め、慣れてきたら調整するとよいでしょう。
食物繊維はサプリメントでとってもいいですか?
食事だけでは足りない場合の補助として使うことはできます。ただし、食物繊維の多い食品には、ビタミンやミネラルなど他の栄養素も含まれています。まずは食事から増やすことを優先しましょう。
パンと麺とご飯、どれがダイエット向きですか?
どれか一つが特別に太りやすいわけではありません。大切なのは量と、一緒に食べるものです。菓子パンやバターを多く使ったパン、ラーメンのように脂質が多くなりやすいものは、量や組み合わせに気をつけましょう。
まとめ
炭水化物は、エネルギー源の「糖質」と、体の調子を整える「食物繊維」でできています。ダイエット中でも、炭水化物を抜く必要はありません。たんぱく質と脂質を決めたら、残りを炭水化物に。量を決めて、食物繊維の多いものを選び、甘い飲み物を控える。これだけで、無理なく続けられる食事に変わります。
次の記事では、三大栄養素の最後のひとつ、「脂質」について、とりすぎを防ぎながら上手にとる方法を解説します。
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