脂質とは?ダイエット中でも減らしすぎてはいけない理由と、上手なとり方を超初心者向けにやさしく解説

「脂っこいものは太る」「ダイエット中は油を抜くべき」。脂質は、三大栄養素の中でいちばん悪者にされやすい栄養素かもしれません。

たしかに脂質は、少しの量でカロリーが大きくなります。でも同時に、ホルモンや細胞の材料になり、ビタミンの吸収を助ける、体に欠かせない栄養素でもあります。減らしすぎると、肌の乾燥や体調不良、トレーニングの成果が出にくくなる原因にもなりかねません。

この記事では、脂質の役割から、ダイエット中にどれくらいとればいいのか、どんな脂質を選べばいいのかまでを順番にお話しします。記事の途中には、目標カロリーから脂質の目安を計算できるツールもあります。

この記事の結論

  • 脂質は1gあたり9kcal。たんぱく質や炭水化物の2倍以上のカロリーがあります。
  • 一方で、ホルモンや細胞膜の材料になり、ビタミンA・D・E・Kの吸収を助ける、なくてはならない栄養素です。
  • ダイエット中も、1日のカロリーの25%を目安に。20%を大きく下回るほど減らすのは避けましょう。
  • 大切なのは「量」と「種類」。肉の脂やバターを控えめに、魚・オリーブ油・ナッツなどの脂質を中心に。
  • 減らすべきは「見えない油」。揚げ物・ドレッシング・お菓子の油を見直すのが近道です。

脂質ってなに?

脂質は、三大栄養素のひとつで、水に溶けにくく、油に溶けやすい性質をもつ成分の総称です。料理に使う油やバター、肉の脂身、魚の脂、ナッツやアボカドに含まれる脂などが、すべて脂質の仲間です。

脂質のいちばんの特徴は、1gあたり9kcalという高いカロリー。たんぱく質や炭水化物(どちらも1gあたり4kcal)の2倍以上です。

体の中では、脂質は主に「中性脂肪」として蓄えられます。皮下脂肪や内臓脂肪がこれです。体脂肪は、食べ物が手に入らないときに備えた「非常用の燃料タンク」のようなもので、少ない重さでたくさんのエネルギーを蓄えられるようにできています。

脂質の大切な役割

役割1:体の材料になる

私たちの体をつくる細胞は、一つひとつが「細胞膜」という膜に包まれています。この膜の主な材料が脂質です。また、男性ホルモンや女性ホルモンなどの一部のホルモンは、脂質の一種である「コレステロール」からつくられます。

役割2:ビタミンの吸収を助ける

ビタミンA・D・E・Kは、油に溶ける性質をもつ「脂溶性ビタミン」です。これらは、脂質と一緒にとることで吸収されやすくなります。サラダにドレッシングを少しかけたり、にんじんを油で炒めたりするのは、理にかなった食べ方なのです。

役割3:食事からしかとれない成分がある

脂質を構成する「脂肪酸」の中には、体の中でつくれず、食事からとるしかないものがあります。これを必須脂肪酸といいます。代表的なのが、青魚に多い「n-3系脂肪酸」と、植物油に多い「n-6系脂肪酸」です。

役割4:効率のいいエネルギー源

脂質は、ウォーキングのような軽い運動や、安静にしているときの主なエネルギー源のひとつです。体脂肪は、こうした活動の中で少しずつ燃料として使われています。

脂質の種類(脂肪酸)を知ろう

脂質は、含まれる「脂肪酸」の種類によって、体への影響が変わります。ダイエットで大切なのは、脂質の「量」だけでなく「種類」も見ることです。

種類特徴多く含む食品
飽和脂肪酸常温で固まりやすい。とりすぎると血液中のLDL(悪玉)コレステロールが増えやすい肉の脂身、バター、生クリーム、チーズ、ラード、ココナッツ油
一価不飽和脂肪酸常温で液体。オレイン酸が代表的オリーブ油、キャノーラ油、アボカド、ナッツ
n-6系脂肪酸必須脂肪酸。日本人の食事では不足しにくい大豆油、コーン油、ごま油など多くの植物油
n-3系脂肪酸必須脂肪酸。EPA・DHA、α-リノレン酸などサバ・イワシ・サンマ・鮭などの魚、えごま油、亜麻仁油
トランス脂肪酸とりすぎると心臓病のリスクを高める一部のマーガリンやショートニングを使った菓子・揚げ物

多くの研究をまとめた分析では、飽和脂肪酸を減らし、その分を不飽和脂肪酸に置き換えると、心臓や血管の病気のリスクが下がることが示されています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、飽和脂肪酸は1日のカロリーの7%以下が目標とされています。

トランス脂肪酸について、WHO(世界保健機関)は1日のカロリーの1%未満におさえるようすすめています。日本人の平均的な摂取量はこれを下回っているとされますが、市販のお菓子や揚げ物が多い人は注意しましょう。

油の種類と選び方は、別の記事でさらにくわしく解説します。

ダイエット中はどれくらいとる?(自動計算ツール付き)

厚生労働省の基準では、脂質は1日のカロリーの20〜30%が目標とされています。パーソナルジムiDeALMe川崎店では、筋肉をつける・守るときの目安として、その真ん中の25%をおすすめしています。

グラムに直すときは、カロリーを9で割ります。

1日の目標カロリー脂質25%(ジムの目安)20〜30%の範囲
1,400kcal約39g約31〜47g
1,600kcal約44g約36〜53g
1,800kcal約50g約40〜60g
2,200kcal約61g約49〜73g

脂質の自動計算ツール

1日の目標カロリーを入れると、脂質の目安と、飽和脂肪酸の上限が自動で計算されます。目標カロリーがわからない方は、カロリーの記事の計算ツールで先に出してみてください。

目標カロリーを入力すると、ここに結果が表示されます。

たとえば1日50gの脂質と聞くと多く感じるかもしれません。でも、料理に使う油は大さじ1杯(約12g)だけで約100kcal強。肉や魚、卵、乳製品にも脂質は含まれているので、気をつけていないと、あっという間に目安を超えてしまいます。

減らしすぎると起こること

カロリーを減らしたいとき、脂質を削るのは効率的な方法です。ただし、極端に減らすと次のようなことが起こりやすくなります。

  • 肌や髪がパサつく:細胞膜の材料や必須脂肪酸が不足しやすくなります。
  • ビタミンの吸収が悪くなる:脂溶性ビタミンA・D・E・Kが吸収されにくくなります。
  • ホルモンのバランスに影響する:研究のまとめでは、脂質を大きく減らした食事で、男性ホルモン(テストステロン)がやや低下したことが報告されています。女性では、カロリーを含めた極端な食事制限が、月経の乱れにつながることもあります。
  • 満足感が下がって続かない:脂質は料理のおいしさや満足感に大きく関わっています。味気ない食事は、ダイエットを続けにくくします。

「脂質はゼロを目指す」のではなく、「とりすぎを防いで、いい脂質を選ぶ」という考え方が大切です。

上手な減らし方・選び方

減らし方1:「見えない油」を見直す

脂質のとりすぎは、肉の脂身のような「見える油」より、揚げ物の衣、ドレッシング、マヨネーズ、菓子パン、スナック菓子、洋菓子などの「見えない油」から起こることがほとんどです。まずはここから見直しましょう。

減らし方2:調理法を変える

同じ食材でも、揚げる → 焼く・蒸す・煮る・ゆでるに変えるだけで、脂質とカロリーは大きく下がります。油を使うときは計量スプーンで量り、フッ素加工のフライパンを使うと、少ない油で調理できます。

減らし方3:肉の部位を選ぶ

同じ肉でも、部位によって脂質の量はまったく違います。

食品(100gあたり)脂質
鶏もも肉(皮つき)約14g
鶏むね肉(皮なし)約2g
豚バラ肉約35g
豚ヒレ肉約4g

鶏肉は皮を取る、豚肉や牛肉はヒレやもも、赤身を選ぶ。これだけで、たんぱく質はしっかりとりながら、脂質を大きく減らせます。

選び方:「とりたい脂質」を意識する

  • 魚を週に何回か:サバ・イワシ・サンマ・鮭などの青魚で、n-3系脂肪酸がとれます。缶詰でもかまいません。
  • 調理にはオリーブ油やキャノーラ油:バターやラードの代わりに使いましょう。
  • 間食にナッツを少量:無塩のものを、手のひらに軽く1杯程度。カロリーは高いので量は控えめに。

よくある4つの誤解

誤解①「脂質を食べると、そのまま体脂肪になる」

体脂肪が増えるかどうかを決めるのは、1日の総カロリーです。脂質を食べても、1日のカロリーがマイナスなら体脂肪は減っていきます。ただし、脂質はカロリーが高いので「量」には注意しましょう。

誤解②「体にいい油なら、たくさんとっても大丈夫」

オリーブ油もえごま油も、カロリーは他の油と同じく1gあたり9kcalです。「体にいい油」は、とりすぎてもいい油ではありません。今使っている油と置き換えることが大切です。

誤解③「卵はコレステロールが多いから、1日1個まで」

健康な人の場合、食事からとるコレステロールが血液中のコレステロールに与える影響は、人によって差があり、厚生労働省の基準でも健康な人に上限の数値は設けられていません。ただし、LDLコレステロールが高いと言われている方は、医師の指示に従って控えめにしましょう。

誤解④「ノンオイル・低脂肪なら、いくらでも食べていい」

脂質を減らした食品の中には、味を補うために糖質が多く加えられているものもあります。パッケージの栄養成分表示で、カロリー全体を確認する習慣をつけましょう。

今日からできる3ステップ

  1. 揚げ物を週に何回食べているか数える
    まずは今の食事を知ることから。回数を1回減らすだけでも効果があります。
  2. ドレッシングとマヨネーズは「かける」から「つける」へ
    小皿に出して、少しずつつけて食べるだけで、量がぐっと減ります。
  3. 肉料理の1回を魚料理に変える
    週に何回かでOK。サバ缶や鮭の切り身なら手軽です。

脂質を「減らしすぎない」食事、一緒につくりませんか

脂質は、減らせばいいというものではありません。パーソナルジムiDeALMe川崎店では、InBodyで体の中身を測定し、たんぱく質・脂質・炭水化物のバランスを、あなたの生活や好みに合わせて一緒に考えます。

「外食が多い」「揚げ物がやめられない」という方も、無理なく続けられる方法をご提案します。

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よくある質問

脂質制限ダイエットと糖質制限ダイエット、どちらがやせますか?

多くの研究では、カロリーとたんぱく質の量がそろっていれば、体重の減り方に大きな差は出にくいとされています。どちらが正しいかではなく、自分が無理なく続けられるほうを選びましょう。

外食が多いのですが、脂質をおさえるコツはありますか?

揚げ物より焼き魚や煮物の定食を選ぶ、ドレッシングは別添えにしてもらう、ラーメンのスープは残す、などが効果的です。メニューの栄養成分表示があれば、脂質の量を確認する習慣をつけましょう。

サプリメントでEPA・DHAをとってもいいですか?

魚をほとんど食べない方の補助として使うことはできます。ただし、魚にはたんぱく質やビタミンDなど、他の栄養素も含まれています。まずは食事で魚を取り入れることを優先しましょう。薬を飲んでいる方は、医師や薬剤師に相談してください。

ナッツはダイエット中に食べてもいいですか?

食べてかまいません。ナッツには不飽和脂肪酸や食物繊維、ミネラルが含まれています。ただしカロリーが高いので、無塩のものを手のひらに軽く1杯程度にとどめましょう。袋から直接食べず、小皿に出すのがコツです。

体脂肪を減らすには、脂質をどれくらい減らせばいいですか?

体脂肪を減らすのに大切なのは、脂質だけを減らすことではなく、1日の総カロリーをマイナスにすることです。脂質は1日のカロリーの25%を目安にして、全体のカロリーを調整しましょう。

まとめ

脂質は、カロリーが高い一方で、ホルモンや細胞の材料になり、ビタミンの吸収を助ける大切な栄養素です。ダイエット中も1日のカロリーの25%を目安に、「見えない油」を減らし、魚やオリーブ油などのいい脂質を選ぶ。これで、体脂肪を落としながら、体の調子も保ちやすくなります。

これで三大栄養素の解説はひと通り完了です。次の記事では、意外と見落とされがちな「水分」について、ダイエットやトレーニングとの関係を解説します。

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